台風や大雨が近づくと、お持ちの携帯電話やテレビなどで「〜注意報が発令されました」「〜警報が発令されています」と言った呼びかけを目にする事はありませんか?
これらの注意報や警報は「防災気象情報」と呼ばれます。
この防災気象情報を目にした時、皆さんは適切な行動を取ることができていますか?
それぞれの注意報・警報には意味があり、時にはご自身で身の安全を守るための行動を取る必要があります。
防災気象情報に関して正しい知識を身につけて、もしもの時に迷わずに行動できるようになりましょう。
防災気象情報の役割とは
防災気象情報とは災害時、ご自身で避難行動を判断するための状況情報です。
みなさんが実際に避難行動をとる際には、気象庁等から発表される防災気象情報と自治体の避難情報を組み合わせて、行動をすることが重要です。もちろん避難情報が出ていない場合でも、防災気象情報を元に自ら避難行動を取る事も大切です。
防災気象情報の種類
気象災害から身を守るために、活用するべき防災気象情報を災害別にご紹介します。
お住まいの地域で発生しやすい気象災害は特にどのような情報を元に避難行動を取るべきなのかチェックしましょう。
気象全般
気象警報注意報
雨や強風などによって災害が起こるおそれのあるときは「注意報」を、重大な災害が起こるおそれのあるときは「警報」を、さらに、重大な災害が起こるおそれが著しく大きいときは「特別警報」を発表して注意や警戒を呼びかけます。
大雨・洪水
記録的短時間大雨情報
数年に一度しか発生しないような短時間の大雨を観測した際に発表されます。この情報が発表されたときは、土砂災害や浸水害、中小河川の洪水災害の発生につながるような猛烈な雨が降っていることを意味していますので、危険な場所にいる場合は、速やかに地域の避難情報を確認し、適切な避難行動を取りましょう。
指定河川洪水予報
防災上重要な河川について、河川の増水や氾濫の際に避難行動の参考になるように気象庁と国土交通省/都道府県の機関が実施している予報です。情報は具体的な河川名で発表されます。
警戒レベルの高い順番にご紹介すると「◯◯川氾濫発生情報」(警戒レベル5)「◯◯川氾濫危険情報」(警戒レベル4)「◯◯川氾濫警戒情報」(警戒レベル3)「◯◯川氾濫注意情報」(警戒レベル2)に分けられます。
解析雨量
国土交通省と気象庁の保有する気象レーダーのデータや全国の雨量計のデータを組み合わせて、1時間の降水量分布を解析したものです。
局所的な雨も把握できる為、より的確な防災対策に役立ちます。
キキクル(警報の危険度分布)
大雨警報、洪水警報、記録的短時間大雨情報等が発表されたときに、大雨に伴う災害発生の危険度の高まっている場所を、5段階に色分け表示された地図で確認することができます。
降水短時間予報
今後の雨を解析雨量を元に15時間先まで予報します。例えば今後数時間の集中豪雨の予測などに役立てることができ、避難行動をするのに活用することができます。
土砂
土砂災害警戒情報
大雨警報の発表の後に、土砂災害の危険性が高まると発表されます。
都道府県と気象庁が共同で発表し、警戒の必要な市町村を特定します。
土砂災害警戒情報が発表された際には、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状態とされますので、早めの避難行動が必要です。
台風
台風情報
台風が発生した時に、台風の位置、強さ、大きさを実況・予報します。気象庁では、台風の実況を3時間ごと、そして台風の1日ごとの予報を5日先まで6時間ごとに発表します。
実況内容は、「台風の中心位置、進行方向と速さ、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風域、強風域」です。
台風の強さは台風の進むコースによって大きく変わる場合があり、台風情報が発表された際には常に最新の情報に注意をしておく必要があります。
まとめ
今回は防災気象情報についてその意味と種類をご紹介いたしました。
今はインターネットで気軽に情報を入手することができますが、情報がありすぎて緊急時にどの情報を参考にすれば良いのか分からないといった声も少なくありません。
特に命に関わるような災害時には、情報を比較して検討するような時間もありません。
緊急時の対応は平常時に決定しておくことが重要です。
本コラムでご紹介した防災気象情報はどれも気象庁や国土交通省などオフィシャルな情報源となっています。緊急時にチェックするものとしてブックマークに入れておくなど、事前に対策しておくと良いかもしれません。