【2023年度版】数年以内に起こる!?地震発生予測と備えの重要性

本コラムをお読みいただいている皆さんは、ご自身のお住まいの地域や勤務している地域においてどれくらいの確率で地震が起こると予測されているか知っていますか?

世界有数の地震発生大国である日本では、近年でも、大きな被害をもたらした地震が発生しています。地震はタイミングを選んでは発生しないのですが、様々な調査機関が、その被害を少しでも抑えようと地震の発生予測などを研究し続けていることで、ある程度の予測を立てることができています。

本コラムでは数年以内に起こるとされている地震についてご紹介し、最後にそんな地震に備えるために私たちが出来ることをお伝えします。

目次

30年以内に約70%の確率で発生する大規模地震

見出しを見て驚かれた方も多いでしょう。

阪神・淡路大震災の経験から、地震に関する調査研究の成果を社会に伝えることを目的として政府の特別機関として設立された「地震調査研究推進本部地震調査委員会」によると、地震の規模を表すマグニチュードが8〜9クラスの地震が30年以内に約70~80%の確率で発生すると予測されています。

マグニチュード8〜9とはその地震の規模が最大級のレベルで、大地震を超える“巨大地震”の発生を意味します。

2011年に発生した東日本大地震はマグニチュード9. 0、2016年に発生した熊本地震のマグニチュードが7.3という事を考えればどれほど大きな規模の地震なのか想像していただきやすいかと思います。

東日本大震災を経験した人なら分かると思いますが、東日本大震災の際は、震源地が三陸沖であったにも関わらず、全国各地で大きな揺れを観測し、ライフラインの供給が困難になるといった状況が発生しました。

このように30年以内に発生が予想されている大規模地震は、その発生地域は関係なく、全国各地の皆さまにとって注意するべき災害なのです。

発生が予想されている大規模地震4選

では次に、近頃発生するのではないかと予測されている大規模地震にはどのようなものがあるのかをご紹介していきます。


南海トラフ地震

南海トラフ地震は西日本の全域に及ぶ広い範囲での地震が予想されております。

過去の地震発生までのスパンを考えると30年以内の発生予測は約70%という高確率となっております。

またこの地震ではその範囲の広さから関東から九州にかけての太平洋沿岸に大きな津波が発生する事も予測されており、東日本大震災を大きく超える被害をもたらすと予測されています。

南海トラフ巨大地震の震度分布
(強震動生成域を陸側寄りに設定した場合)

気象庁HP https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/assumption.html

日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震

日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震は根室沖で発生する大きな津波を伴うと考えられている地震です。30年以内の発生予測は約60%となっており、大きな被害が予測されています。

日本海溝・千島海溝の領域区分

気象庁HP https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/nceq/index.html

日本海溝・千島海溝沿いにおける異常な現象の評価基準検討委員会とりまとめ報告書(令和4年3月22日発表)別冊図表集を1部改変

首都直下地震

首都直下地震は南関東地域でマグニチュード7クラスの大地震が30年以内に約70%の高確率で発生すると予測されています。

その名の通り、首都圏を襲う大規模な地震ですが、発生場所の特定が困難である事や首都圏には建物や人が集中して居る事もあり、大きな被害が予測されています。

図 震度分布(都心南部直下地震)

内閣府HP https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h25/74/special_01.html

中部圏・近畿圏直下地震

中部圏・近畿圏直下地震は直下型の地震でその発生地域から文化財や老朽化した木造の建築物に大きな被害が発生することが予測されています。

予防対策用震度分布図

(M7.0以上の活断層、M6.9の直下の地震、東南海・南海地震及び東海地震の震度分布を重ね合わせ、各地点の最大の震度をとったもの)

内閣府HP https://www.bousai.go.jp/jishin/chubu_kinki/index.html 震度分布 (平成18年12月公表)より

約2000の活断層のある日本では、これらの予測されている地震だけではなく、全国各地で常に大きな被害をもたらす地震の発生が懸念されています。

例えば2016年に発生した熊本地震では、該当の断層帯におけるマグニチュード7.0クラスの地震が発生する確率はわずか1%未満でありました。この事からも、今回紹介した発生が予測されて居る大規模地震だけに注意を払えばいいわけではないという事が分かります。

【防災】大規模地震の発生に備える

そんな大規模地震の発生に備えて私たちが出来ることは様々あります。

例えば、避難訓練を定期的に実施することによって、地震が発生した時に命を守るための適切な行動を自然に取る事ができます。

他には、防災グッズの準備も挙げられるでしょう。
地震が発生し、無事に逃げる事ができたとしてもその後には避難生活が待っています。規模の大きな地震であればあるほど避難生活の期間は長くなります。
事前の備えとして防災グッズは漏れなく準備しましょう。

また地震はどのタイミングで発生するか分からないからこそ、日常の保育から防災対策を意識する事も重要です。関連コラムでは日常保育から実践できる防災対策を詳細にご紹介しておりますので、ご一読くださいませ。

まとめ

今回は、数年以内に起こるとされている大規模地震と大規模地震の発生の備えについてご紹介しました。ほいく防災なびでは、保育×防災をテーマに保育現場の皆様向けにお役立ていただける防災情報を発信しております。

今回関連コラムでご紹介したものはそのわずか一部です。防災は日頃の積み重ねが大事だからこそ本サイトを通じて皆さまに少しでも防災に関する最新情報をお届けできればと考えております。
いつか来るかもしれない大規模地震に備えて、出来ることから防災を始めましょう。

スクロールできます

この記事を書いた人

学生時代はキッズフォトスタジオにてアルバイト。
そして、だいすきな子どもたちの笑顔を守りたい!という思いで、園の防災を支えるニシハタシステムへ入社しました。
数多くの園長先生とお話しする中でお伺いした園業界ならではの課題や悩みを、少しずつ解決していけるよう発信していきます

目次