園職員必見!保護者と協力する保育園・幼稚園の防災対策!

日本では毎年、地震や台風、またはそれによって引き起こされる様々な災害が多く発生し、”災害大国”とも呼ばれてます。そのような災害に対して、大切な子どもの命を預かっているという保育園や幼稚園において、子どもを安全に保護者のもとに引き渡すためには、園や職員の努力だけではなく、保護者の理解や協力も必ず必要となってきます。

本記事では、保育園や幼稚園が保護者と協力して実施できる防災対策をご紹介いたします。

目次

保育園や幼稚園で働く職員の使命・防災意識

保育園や幼稚園で働く職員の使命は、もちろん子どもたちの学習と発達の支援を行う教育者としての側面もありますが、それ以上に、各ご家庭の大切な子どもの命を預かり、健やかに安心して過ごせる環境を確保してあげるということが、何よりも大事です。

自然災害が多い日本においては、いつ大きな災害が発生するかわかりません。子どもたちが日中の多くの時間を過ごす園の職員は、災害が発生した場合に子ども達を安全に避難させ、安全に保護者の方に引き渡してあげるという役割があります。

だからこそ、園職員は日ごろから高い防災意識を持ち、災害時には落ち着いて行動できるようにすることが重要と言えるのです。

子どもたちの命を守る!保護者と協力した防災

子どもたちが健やかに安心して過ごすことができ、その大切な命を守っていくためには、園の努力だけではなく、保護者の理解や協力が不可欠となっています。

園は保護者に対してどのような働きかけを行ったらよいのでしょうか、下記にいくつかご紹介いたします。

園の取り組みを知ってもらう

第一に、防災について、職員にどのような教育を行っているのかや、避難訓練の実施内容はどのようなものとなっているのかなど、園が防災対策として行っている取り組みを保護者に知ってもらうことです。

具体的な事例としては、保護者向けの説明会やパンフレットを活用することが挙げられます。説明会では、災害時の避難場所や避難経路、保育園や幼稚園での避難訓練の実施内容などを詳しく説明し、保護者に理解を深めてもらいます。

園の取り組みを知ってもらうことで、下記のような効果が期待されます

緊急時の混乱防止

災害時の対応策や連絡方法を日ごろから保護者に共有し、理解していれもらえていれば、緊急時に混乱することなく、落ち着いて適切な行動を取ることができます。

家庭での防災意識の向上

保護者に園の防災対策を理解してもらい、自宅でも同様の対策を取っていただけるようになるなど、家庭での防災意識が高まる効果が期待できます。

また、園の取り組みについて知ってもらうことで、保護者が子どもたちと防災について一緒に話し合うきっかけにもなります。これにより、子どもたちの防災意識をより高めていくことができます。

改善機会の獲得

園の防災対策を保護者に知ってもらうことで、その対策に対しての意見や提案を保護者からいただけるようになります。多くの方の意見を参考にして、園の防災対策自体の見直しや新たな取り組みを導入するなどの改善活動を繰り返すことで、より効果的な防災対策を講じることができるようになります。

信頼の構築

子どもたちが安全な環境で過ごしていくために園が取り組んでいることを知ってもらうことで、保護者に安心してもらい、また、急な災害発生時に園が適切に対応してくれるという、信頼を得ることができ、お互いに協力できる良好な関係性を築くことができます。

園や園周辺の災害リスクを知ってもらう

津波被害の恐れがある海の近くや土砂災害の恐れがある山のふもとなど、園が置かれている地域によって、災害時の危険具合や、どのような災害に備えておくべきなのかは異なります。

日ごろから、保護者に園のある地域の災害ハザードマップを共有したり、避難場所や避難経路をお伝えしておくことで、急な災害発生時でも保護者がどのような行動をとればいいのかがわかり、混乱を軽減させることができます。

また、園周辺で災害リスクの高い場所を予めお伝えしておくことで、日ごろから保護者が子どもの送迎時に被災するリスクを軽減することもできます。

引き渡し訓練の実施

引き渡し訓練とは、実際に災害が発生したことを想定し、保護者にお迎えに来てもらい、子どもを引き渡す訓練で、確実に子どもを保護者に引き渡すことができるように練習したり、園だけでなく、保護者にも防災について考えてもらう機会となっています。

実施の際は、自動車や公共交通機関が使用できなくなっている状況を想定し、徒歩で迎えに来てもらったり、送迎のルートを指定するなど、より詳細に災害の状況を想定することで、保護者にとっても、ただ「迎えに行く」だけではなく、防災について考え行動し、防災意識を高めるきっかけとなります。

また、引き渡し訓練は実際に保護者に参加していただき、防災について園から直接お話の出来る貴重な機会ですので、お迎えに来てもらった際には、園での防災についての説明を行ったり、ご家庭での備蓄状況や避難場所・避難経路の確認を行うなど、災害に対する意識を向上してもらうための機会として活用すると良いでしょう。

連絡手段の共有

急な災害時には、電話がつながりにくくなってしまうなど、保護者との連絡がスムーズに行えないことが考えられます。

そのため、事前に一斉メール配信システムや、掲示板、園のホームページなど、災害時でもすぐに情報を伝えられるような連絡方法を用意しておき、保護者に充分に伝えておくことが重要です。

また、これらの連絡手段は災害時に急に利用しようとしても、なかなかうまく使えるものでもありません。避難訓練にあわせてテスト配信を行ったり、園と保護者との日常の連絡手段として活用するなど、万が一の災害に備えて日ごろから情報のやり取りができるようにしておくと良いでしょう。

まとめ

今回は、保育園や幼稚園が保護者と協力して行う防災対策として、園の取り組みを知ってもらう、園や園周辺の災害リスクを知ってもらう、引き渡しの訓練の実施、連絡手段の共有の4つをご紹介しました。

万が一の災害時に、保護者と協力し、大切な子どもたちの命を守れるよう、園の防災活動に取り入れてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

学生時代はキッズフォトスタジオにてアルバイト。
そして、だいすきな子どもたちの笑顔を守りたい!という思いで、園の防災を支えるニシハタシステムへ入社しました。
数多くの園長先生とお話しする中でお伺いした園業界ならではの課題や悩みを、少しずつ解決していけるよう発信していきます

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