急な非常時に、子どもたちの安全を守るためにも、災害が発生した際にできなくなってしまうことを事前に知っておき、準備と計画を立てることが大切です。
災害が起こってしまう前に、各災害への適切な対策を立てておきましょう。
災害時に発生する問題とは
災害時にはさまざまな問題が発生する可能性があります。
例えば、電気や水道、交通機関の麻痺などです。
これらの影響を受けて、もし園内に長時間閉じ込められることになれば、子どもたちにとって、精神的トラウマに繋がってしまうかもしれません。
そのような問題に対して、事前に対策を講じておくことが子どもたちを守ることに繋がります。
災害発生時にできなくなる事とその対策
スムーズな通信
災害時には通信インフラがダウンすることがあり、携帯電話やインターネットの通信が制約される可能性があります。
このような通信制約に対して、下記のような5つの対策が有効です。
緊急連絡手段の確保
災害時には携帯電話やインターネットが使えなくなる可能性があります。
緊急時に備えて非常用の連絡手段を準備しましょう。
無線機やアナログ電話、災害用伝言ダイヤルなどの選択肢を検討し、園外との連絡手段を確保しておくことが重要です。
非電化コミュニケーション手段の活用
災害時には電力が制約されることがありますので、非電化のコミュニケーション手段を活用しましょう。
例えば、笛やメガホン、手回しラジオなどの非電化の機器を用意しておくと遠くの人に対して合図や情報の伝達ができます。
災害時の連絡手順の確認
各関係者と事前に災害時の連絡手順を共有しましょう。
連絡優先順位や連絡先のリスト、緊急連絡先の確認方法などを明確にしておくことで、混乱を避けて円滑なコミュニケーションを図ることができます。
避難所や自治体の情報を活用
災害時には避難所や自治体の情報を活用しましょう。
避難所の場所や運営方法、自治体の緊急情報の発信手段などを事前に把握しておくことで、避難行動を円滑に進めることができます。
近隣住民の方々との連帯・協力の確認
近隣住民の方々との連帯と協力は重要です。
災害時にはお互いに助け合い、情報の共有や支援活動を行うことができます。
近所の防災グループや地域の防災計画に参加し、地域コミュニティの連携を図ることが大切です。
通信制約に対するリスクを軽減することで、災害時の円滑なコミュニケーションを確保することができます。
また、災害時の連絡手順や避難所の情報を各関係者と共有し、事前に備えることも重要です。
電気の使用
災害時には電力供給が途絶える可能性があります。
その懸念に備えて、ぜひ下記の準備をしておきましょう。
備蓄品の準備
災害時に備えて非常用の備蓄品を準備しましょう。
乾電池や懐中電灯、非常食や水の備蓄、非電化の調理器具などが役立ちます。
また、長期間の停電に備えて電池や発電機、ソーラーパネルなどの予備電源も検討しましょう。
非電化の生活対策
災害時には非電化の生活対策を考えましょう。
ろうそくやランタン、火起こし道具などを用意しておくと、照明や調理を行うことができます。
また、非電化の通信手段やラジオのような情報入手手段も確保しておくと便利です。
避難所や公共施設の利用
電力供給が途絶えた場合、避難所や公共施設が非常用の発電機を備えていることがあります。
これらの施設を活用することで、一時的に電力を利用することができます。
近隣住民の方々との協力・支援活動
近隣の方々との連携や支援活動が重要です。
地域の防災組織や地域コミュニティに参加し、協力体制を構築しましょう。
お互いに情報や資源を共有することで、電力供給の制約に対処できます。
特に、非電化の道具は備えておくと良いでしょう。
自園での備えに加え、地域の施設の状況を把握しておくことで、電力供給が途絶えた際にも生活や通信を維持することができます。
水道の使用
災害時には、水道管破損や損傷、給水ポンプの停止により、水道の使用が制限される、あるいは一時的に使用できなくなる可能性があります。
このような状況に備えて、下記の対策を講じることが重要です。
備蓄水の確保
災害時に備えて、備蓄水を準備しましょう。
非常用の飲料水として使用できるよう、ボトルやタンクに水を貯めておくと便利です。
1日に必要な水の量は、大人の場合、体重1㎏あたり50mlの水が必要とされています。
また、子どもの場合は体重1㎏あたり約80mlが目安です。
必要な水の量は子どもの方が多いため、しっかりと確認しておきましょう。
浄水器の利用
災害時には浄水器を利用することで、汚染された水源から安全な飲料水を確保することができます。
持ち運びのできる浄水器や浄水ボトルを用意しておくと良いでしょう。
トイレの対策
水道が使用できない場合、トイレも使用できなくなる可能性があります。
トイレットペーパーの代替品やポータブルトイレ、ビニール袋などを用意して、衛生的なトイレを保つ対策を行いましょう。
地域の情報と協力
災害時には地域の情報や指示に従いましょう。
自治体や関係機関から提供される情報を確認し、必要な場合は避難所や給水ポイントなどの設置場所を利用しましょう。
これらの対策を実施することで、災害時における水道の制約に対処することができます。
備蓄水や浄水器の準備、節水意識の徹底、地域の情報と協力を行い、十分な水の確保と適切な水の使用を心がけましょう。
ガスの使用
災害時には、ガス管破損や漏れにより、ガスの供給が途絶える可能性があります。
ガスが使用できない場合に備えて、下記の準備をしておくことをおすすめします。
予備の供給源
災害時に備えて、非常用の供給源を考えることが重要です。
電気が利用できる場合は、電気コンロや電子レンジなどの電化製品を利用することができます。また、非常用のバーベキューコンロやカセットコンロもおすすめです。
非常用食料の確保
ガスが使用できない場合、調理方法に制約が生じます。
非常用食料や非常食を備蓄し、調理方法を考えておくことが重要です。
防災グッズの確認
災害時に備えて、懐中電灯、ラジオ、予備のバッテリー、ランタン、ポータブルストーブなどの防災グッズを用意しておくことも大切です。
ガスの復旧までの情報収集
災害時にはガスの復旧までに時間がかかる場合があります。
地域の自治体やガス会社の情報を収集し、ガスの復旧状況について把握しておくと役立ちます。
災害時には、安全を最優先に行動し、適切な対応をすることが重要です。
地域の防災計画やガイドラインに従い、周囲の指示にも注意を払ってください。
交通機関の使用
自然災害の影響により、道路や鉄道、航空などの交通インフラが損傷し、運行が停止することがあります。
交通機関が利用できないということは、保護者の方の送迎や、園バスも使用できない可能性が高くなります。
長時間、園内に閉じ込められる可能性を想定し、下記の準備をしておきましょう。
避難場所の確認
災害時には避難が必要な場合があります。
地域の避難場所や避難ルートを事前に確認しておくことが重要です。
地域の自治体や防災ネットワークから提供される情報を収集し、適切な避難行動を取りましょう。
通信手段の確保
災害時には、交通情報や安否確認などの情報を入手するために通信手段が必要です。
携帯電話やラジオなどのバッテリーが充電されていることを確認し、緊急時に備えて予備のバッテリーや充電器を用意しておくと良いでしょう。
必需品の備蓄
交通機関が使用できない場合、物資の供給に制約が生じる可能性があります。
非常用の食料や水、衣類、医薬品などの必需品を備蓄しておくことが重要です。
地域の協力体制
災害時には、地域の協力体制が重要となります。
近隣の方々との連携や情報共有、支援活動などを行い、お互いに助け合うことが大切です。
まとめ
今回は、「災害が起こった際になにができなくなるのか」と「そのための事前準備」について、ご紹介をいたしました。
もし災害があった際、子どもたちへの被害や負担を最小限に抑えるためには、園内の関係者を巻き込んだ事前準備が、非常に重要となってきます。なかなか有事の際のイメージは付きにくいかもしれません。しかし、子どもたちの笑顔をまもるためにも、今一度、職員間で話し合ってみてはいかがでしょうか。