皆さんの園では、非常用持ち出し袋や備蓄品といった防災グッズの準備はできていますか?
子どもたちの大切な命を預かる保育の現場では、定期的な避難訓練の実施等でもしもの時の備えを日頃から意識されていることかと思います。
しかし、意外と見落としがちなのが非常用持ち出し袋や備蓄品といった防災グッズの見直しです。
過去に準備してからそのまま放置している園さんや、園内に防災グッズの用意はあるけれども中身を職員が把握していないといった園さんはありませんか?
今回のコラムでは、そんな忘れがちだけれどもとても重要な防災グッズの中身をご紹介します。
既に用意がある園さんも一度目を通していただいて、自園の防災グッズの中身と照らし合わせてみてください。
非常用持ち出し袋の準備
まずは、非常用持ち出し袋です。
災害という一分一秒を争う状況で、中身に不足がないか災害時に確認する時間はもちろんありません。
このコラムを読みながら、もしくは読んでから時間の経たないうちに非常用持ち出し袋を手元にご用意いただき、自園の非常用持ち出し袋の中身と照らし合わせながら確認してみてください。
ウェットティッシュ
おむつ交換時や食事時など使用シーンは多数あります。衛生的にもウェットティッシュは用意しましょう。
哺乳瓶
大規模災害の場合は、保護者の方への園児の引き渡しも時間がかかる可能性が高いです。その際に必要になるので、哺乳瓶は必ず用意をしておきましょう。
液体ミルク
上記の理由と同様、保護者への引き渡しまでの間必要です。またミルクは災害時に手に入りにくいので、自園で必ず準備をしましょう。また、断水の可能性も考えられるので、粉ミルクよりも液体ミルクを用意しておくと良いでしょう。
ミネラルウォーター(軟水)
大規模災害時には断水する可能性が高いです。また粉ミルクでミルクを作る事を考えてなるべく軟水を用意しましょう。
お菓子
災害時には手に入りにくいものになります。食べ慣れたものや保存の効くお菓子を用意しておくと良いでしょう。
紙おむつ/おしり拭き
災害時、赤ちゃんのおむつは不足しがちです。何日分かのおむつを事前に準備しておきましょう。
におわないおむつ袋
災害時、避難した場所ですぐにおむつを捨てられる環境であるかは分かりません。また夏場は匂いも気になるところですので、用意があると良いでしょう。
簡易トイレ
地震の時だけではなく、風水害の際も停電でトイレが利用できなくなることがあります。復旧には長時間かかることもありますので、簡易トイレは事前に準備しておきましょう。
おんぶ紐
避難時など両手を開けたい時にも役立ちます。
長袖・長ズボン
皮膚病などを防ぐ為にも、数着用意をしておきましょう。
下着
上記同様、直接肌に触れる下着は特に清潔な状態で管理しておきましょう。
バスタオル
バスタオル1つあればおむつ替えからお包み、掛け布団まで様々な使い方ができます。
マスク
避難場所の衛生環境は必ずしも良いとは言い切れません。特に冬場は感染症の蔓延も考えられますので、マスクは準備しておきましょう。
防災ハザードマップ
地図はスマホで見るから大丈夫と思っている方はいませんか?災害時に備えて、オフラインでも使用できるように事前に地図をダウンロードできる防災アプリもありますが、災害時におけるスマートフォンは情報収集や連絡手段として非常に重要です。地図一つとっても長時間スマートフォンを使用して見ることは推奨できません。もしもの時の為に、紙の地図を一つ防災バッグに用意しましょう。
児童名簿
園児の安全を確保し、避難した後、保護者に引き渡すまでが園職員の仕事です。すぐに連絡が取れるように一覧にしましょう。
関係機関一覧表
災害時に連絡する関係機関はあらかじめ一覧にして紙の状態で用意しましょう。携帯に入っているから大丈夫。番号を覚えているから大丈夫と思っている方もいらっしゃいますが、緊急時には携帯を持ち出すことができないかもしれません。またイレギュラーな状況でいつもなら思い出せることも思い出せなくなってしまうかもしれません。もしもの時に備えて、プリントアウトした紙の状態で用意しましょう。
懐中電灯
大規模災害の際は停電が発生する場合があります。 その際、暗闇の中での避難も想定されますので、懐中電灯は必ず準備しましょう。また定期的に動作点検を実施しましょう。
ホイッスル
もしもの時に大声を出さなくとも助けを呼ぶ事ができます。大声を出すことは体力を使いますし、ホイッスルの音は人の耳にも届きやすいので、防災バッグに準備しておきましょう。
救急用品
絆創膏、消毒液、包帯、ガーゼ、解熱剤など
携帯用カイロ
災害は時を選ばずやってくるものですので、冬場に薄着で避難せざるを得ない状況も考えられます。カイロなどの暖を取れるグッズを必ず準備しましょう。
ヘルメット/防災頭巾
特に地震発生時は頭を守る行動を取ることが重要です。ヘルメットや防災頭巾は防災バッグの中に準備し、避難の際に着用できるようにしましょう。
軍手
避難時や救助活動時に使用します。
携帯用ラジオ
コンセントや電池が必要なタイプではなく、手動で発電できるタイプのものがおすすめです。
乾電池
電池式のラジオ等を使用する場合は、替えの電池も用意しておきましょう。
携帯の充電器
災害時の情報収集手段の一つとして携帯電話があります。避難情報や災害の最新情報などを収集するのにバッテリーを消費しますので、充電器も用意しましょう。
ビニール袋
ゴミを入れたり、おむつがなくなった時に簡易おむつを作ることができたり、様々なシーンで利用できます。また水災害の際は、ビニールで保護することもできます。
ガムテープ/マジックペン
ガムテープを利用してメモをすることができたり、児童名簿やハザードマップに書き込むこともできます。
備蓄品の準備
液体ミルク
断水に備えて液体タイプのミルクを用意しましょう。
粉ミルク
液体タイプに比べて少ないスペースで沢山の量のミルクを用意することができます。
離乳食(初期・中期・後期・完了期)
調理の必要がない食べ慣れたものを用意しましょう。
お菓子
保存の効くなるべく食べ慣れたものを用意しましょう。
米・パン(非常食用)
保存の効く非常用の米やパンは水を注ぐだけやそのまま食べることができるので、災害時に便利です。
缶詰・レトルト食品
調理の必要がないものを用意しましょう。
ミネラルウォーター(軟水)
大規模災害時には断水する可能性が高いです。また粉ミルクでミルクを作る事を考えてなるべく軟水を用意しましょう。
ガスコンロ・ボンベ
大規模災害時にはガスも止まります。お湯を沸かす際に必要になりますので、ガスコンロと数本のボンベを用意しておきましょう。
メスティン
ミルクのお湯を沸かす際に使用します。
オマル
大規模災害時は断水の影響でトイレが使用できなくなります。
ランタン
停電時に必要になります。
エマージェンシーブランケット
薄くて軽いブランケットです。保温性に優れているので、災害時に役立ちます。
避難車
園児をまとめて移動させることができます。
ロープ
復旧活動の際にあると何かと便利です。
ヘッドランプ
停電時にヘッドランプを使用することで、両手を塞がずに避難・作業することができます。
まとめ
今回は、災害時の備えとして準備するべき非常用持ち出し袋と備蓄品の防災グッズリストをご紹介しました。
既に防災グッズの準備のある園さんもこの機会に動作確認や消費期限が切れていないかの確認をして、もしもの時に備えましょう。