
いつ起こるかわからない災害に備え、保育園や幼稚園ではどのように防災について教えていますか?
「幼児期の防災教育はまだ理解が難しい」そう思ってしまいがちですが、幼児期の防災教育はこれから先、自分自身で身を守るためにとても大切なことです。
幼児期までは園では先生が、家庭では親御さんがお子さんを守ります。しかし、小学校に就学すれば一人で公園に遊びに行くこともありますし、留守番をすることもあります。
もしも一人でいる時に地震が起きたら――。そんなとき、自分で臨機応変に考えて行動できる「生きる力」が必要です。
この「生きる力」を育むために、まずは保育者が防災について学び、正しい知識を子どもたちに伝えてほしいと思います。
防災教育は「楽しく」!
子どもたちは、楽しい経験ほどよく覚えます。そして、楽しかったことは必ず保護者にも話します。その結果、家庭でも防災意識が高まり、園だけでなく地域全体の防災力向上につながるのです。
今回は、園でできる 楽しい防災教室の事例 をご紹介します!
楽しい防災教室の事例
幼児期から楽しく防災を学ぶことで、子どもたちは自然と身を守る力を身につけます。ここでは、園で実践できる楽しい防災教室のアイデアをご紹介します!
新聞紙スリッパ制作


大きな地震が起きた時、 まず大切なのは「足を守ること」 です。
割れたガラスなどを踏んでケガをすると、避難が難しくなります。上履きを履いている場合はそのまま避難できますが、午睡中や上履きを履いていない時に地震が起きた場合はどうでしょうか?
そんな時、 新聞紙スリッパ が役立ちます!
あらかじめ作って各保育室に置いておけば、すぐに履くことができ、靴を履くまでの代替品として足を守ることができます。
🌟 楽しく学ぶポイント 🌟
✅ 災害時にどんなことが起こるかを話しながら、みんなで作る
✅ 作ったスリッパを履いて、ガラスに見立てた小さなブロックの上を歩いてみる
ペットボトルランタン体験(停電ごっこ)
地震や台風で停電したら、子どもたちは落ち着いて過ごせるでしょうか?
暗闇を体験したことのない子どもたちは、突然の停電にパニックになることも考えられます。そんなとき、 少しの明かりがあるだけで安心感が生まれます。
暗闇に少しでも慣れておくために 「停電ごっこ」 をしてみましょう!
🌟 実践方法 🌟
🔦 懐中電灯とペットボトルでランタン作り
- 懐中電灯を立てる(倒れる場合はコップに入れる)
- その上にラベルを剥がした 水の入ったペットボトル を置く
これだけで、室内をほんのり明るくすることができます。
🌟 楽しく学ぶポイント 🌟
✅ ペットボトルのサイズや中身(透明・半透明・お茶・ジュースなど)によって明るさが変わることを実験し、科学の不思議にも触れてみよう。どれが一番明るくなるかの実験をしておくのも良いですね。
バルーンあそび(集まる練習)
もしも公園で地震が発生したら?
園外での災害は、子どもたちがパニックになり、外に飛び出してしまうなど、危険な行動を取る可能性があります。
そこで 「すぐに安全な場所に集まる」 練習をしましょう!
🌟 実践方法 🌟
🎈 大きなブルーシートを活用!
- 「集まれー!」 の掛け声で、2名の先生がブルーシート(防水シート)を広げて持ち上げる
- 子どもたちはブルーシートの中に入り、先生の指示があるまで しゃがんでじっとする
この方法なら、
✅ 人数確認がスムーズにできる
✅ シートで視界を遮ることで、建物の倒壊現場などをできるだけ見せずに済む
🌟 乳児向けの工夫 🌟
👶 室内での布を使ったバルーン遊び
地震が発生した際、頭を守るために布団や布をかぶせると、慣れていない乳児は泣き出したり怖がってしまうことがあります。
日常の遊びの中で大きな布を使ったバルーン遊び を取り入れると、覆われることへの恐怖心を払しょくすることができ、災害時の対応がスムーズになります。
🌟 楽しく学ぶポイント 🌟
✅ 布を上下に動かすことで 風が起こり、子どもたちは大喜び!
防災教育をもっと楽しく!
子どもたちが就学後も 自らの力で命を守れるように 、ぜひ楽しい防災教室を行ってみてください!